先日購入した文芸ユニットの作品「るるるるん Vol.2 冷蔵庫」
右側綴じで開いた場合の二人目、かとうひろみさんの「コン、コン」
小説の形をとる文章という意味ではるるるるんの3人の中で一番実績がある…とどこかに書いてあった気がするけど気がするだけかも知れない。
かなり練られたプロットという印象で描かれる様々なエピソードが終盤に向けての伏線だったり、そうじゃないものもあるけど…って書くとそりゃどっちかだろって思うかもしれないがストーリーの組み立てに必要なディテールと同様に一見関係ないような些細な日常の描写などはやはり登場人物に血を通わせるという意味でも重要ですよね。
そういうバランスがとても良いと思いました。
読みようによってはちょっとホラー?という感じ(ビビるほど怖いわけではない)なのである意味エンターテインメント性も高い分いわゆるネタバレに気をつけなければならないかもしれないけれど、そういう仕掛け的な部分は実は体裁に過ぎないのかなとも思う。
いちばん描きたかったのはそこではないみたいな。
この辺のところは他の作品も読んでみると印象が変わるような気がする。
そしてこの一冊「るるるるん Vol.2」を通してモチーフとなっている冷蔵庫はこの作品中ではさりげなくしかし重要な存在というか重要な存在の収納場所になっています。
主人公の生活の変化に呼応する形で冷蔵庫の中身も変化して中に入っていたもの、入っているものが説明されたりします。
生活の変化と冷蔵庫の中身の変化…
自分自身の一人暮らしの事とか思い出しそうになりますが、遠い昔のことで…
度合いの差はあれ誰にでも「あれは一体何だったのか?」というような経験があったりすると思うんだけどちょっとそういうことを思ったりしました。
これはちょっとそういうことでは済まないお話ですけど。